5 節 · 判定とタイミング
ブレイクの組み立て
ブレイクは「落とす技術」より「次の球を残す設計」で決まります。1 球ごとに、次に何を狙うかを先に決めておきます。
赤と黒の往復を作る
赤が残っている間、最も点が伸びるのは赤→黒の往復です。赤 1 点と黒 7 点で 1 往復 8 点。これを 4 往復できれば 32 点で、すでに 1 フレームの主導権に近づきます。
大事なのは、黒を落としたあとに手球が次の中赤を狙える位置に残ることです。黒を落とす前に「黒を入れたあと、手球はどこへ行くか」を決めておかないと、点は入っても番が切れます。
具体的には、黒に対して手球を薄く当てて短い距離で止めるか、少し強めに入れてクッションで戻すかの 2 択になります。どちらを選ぶかは、テーブルに残っている赤の散らばり方で決まります。
黒が狙えないとき
黒が他の球に隠れている、あるいは手球から狙うと次の形が作れないときは、低い色でつなぎます。黄なら 2 点、緑なら 3 点。1 往復の効率は落ちますが、番を続けている限り相手に点は入りません。
ここで欲張って無理な黒を狙うと、外した球が残って相手に良い形を渡します。20 点で終わるブレイクと、7 点で終わるブレイクなら、20 点のほうが良いのは当たり前ですが、無理をしてファウル 4 点を渡すのはもっと悪い選択です。
赤を散らすタイミング
開始直後の赤は三角形に固まっていて、端の 1 個しか直接は狙えません。最初のショットで赤の山を崩し、散らばった赤を 1 個ずつ拾える形にするのが、序盤の仕事です。
強く突けばよく散りますが、手球まで跳ねて配置が乱れます。弱すぎると赤が崩れず、次の番で狙える球が増えません。この加減は感覚で決めるしかなく、数値として公開されているものはありません。
目安になる点数
ブレイクの値は、点差を読むときのものさしになります。目安として、20 点台は「形を作れた」、50 点台は「1 フレームを取れる」、100 点を超えると「相手にほぼチャンスを渡していない」状態です。
| ブレイク | 内訳の例 | 意味 |
|---|---|---|
| 8 点 | 赤 1 + 黒 1 | 1 往復できた |
| 24 点 | 赤 3 + 黒 3 | 形が見え始めた |
| 50 点台 | 赤 6 + 黒 6 前後 | 1 フレームを取れる圏内 |
| 70 点台 | 赤 8 + 黒 8 前後 | 相手にほぼ渡さない |
| 100 点以上 | 赤 11 + 黒 11 前後 | ほぼ決着 |
| 147 点 | 赤 15 + 黒 15 + 色 27 | 理論上の上限 |
番が切れたあと
ブレイクが切れたとき、手球をどこに残すかで相手の 1 番目が変わります。相手がすぐに赤を狙えない位置に手球を残せれば、その分だけ相手のブレイクも伸びません。
逆に、手球がテーブル中央に残ってしまうと、相手は好きな赤を選べます。落とせなかったときこそ、置き場所を意識してください。
- クッション際に手球を残すと、相手はキューを引きにくくなります。
- 赤の山の反対側に手球を置くと、相手が狙える赤が減ります。
- ファウルで番が切れた場合は、相手が手球を置き直せるので、この限りではありません。
残り点とスヌーカー必要数
赤 1 個=8 点(赤 1+黒 7)として、テーブル上の残点を出します。足りない分はファウル 4 点で詰める前提の概算です。
- 67テーブル上の残点
- 20逆転に必要な点
- 5必要なスヌーカー数
計算のしかた
残点 = 赤の数 × 8 + 27。赤 1 個は「赤 1 点 + 黒 7 点」で 8 点、赤が全部なくなったあとの色球は 黄 2 + 緑 3 + 茶 4 + 青 5 + ピンク 6 + 黒 7 = 27 点です。逆転に必要な点は「相手の得点 − 自分の得点 + 1」。 残点で足りない分は、ファウル 1 回あたり最低 4 点として必要な回数を切り上げます。
| 自分 | 相手 | 残り赤 | 残点 | 必要点 | スヌーカー |
|---|---|---|---|---|---|
| 40 | 60 | 5 | 67 | 20 | 5 |
| 20 | 50 | 3 | 51 | 30 | 8 |
| 70 | 55 | 8 | 91 | 0 | 0 |